「同一労働同一賃金」に対応する手当と基本給の見直し

法改正情報 平成30年7月1日(日曜日)

 

 平成30年6月1日に今後の日本の給与の支払い方について大きな影響を与える判決が言い渡されました。一つはハマキョウレックス事件。同じ仕事を担当している運送ドライバーについて、有期社員と無期社員へ支給される手当の違いが労働契約法第20条に違反しているかどうか。そしてもう一つは長沢運輸事件。定年後、再雇用で有期の嘱託社員について、年収が20%低下したのを不服としたもの。
 この判決を踏まえて、今後正社員へ支給する手当の整備をするにあたり、法違反とならないような工夫が必要になります。
 今回の「同一労働同一賃金」に対応する手当と基本給の見直しについてまとめましたので、ご覧ください。

 

◆争点は手当だった!手当に対する最高裁の判断

両判決から、正社員と有期契約社員・パート・嘱託社員について、働き方が違う場合、その違いに応じてバランスを考えた処遇を決定する必要があります

◆事前に打つべき手!手当の廃止・見直し

判決を踏まえ、今後は正社員へ支給している手当を見直す必要が出てきます。一例をご紹介いたします。
① あまり意味のない手当⇒基本給に組み入れる
   (例)・皆勤手当、精勤手当
      ・食事手当
② 住宅手当⇒段階的に廃止、もしくは基本給に組み入れる
③ 家族手当⇒配偶者分は廃止、子ども分は拡充する。
ただし、基本給の見直しを行う場合は、賞与や退職金制度も合わせて検討する必要があります。

◆手当・基本給の見直しは浅山事務所へ

上記の手当の廃止・見直しは会社の支給実態に応じて一概には言えません。判例を受け、今後ますます働き方の違いによる手当の見直しは必須になります。

お問い合わせは、下記よりお願いいたします。

弊社の記事の無断転載を禁じます。なお、記事内容は掲載日施行の法律・情報に基づいております。本ウェブサイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。社会保険労務士法人エフピオ/株式会社エフピオは本ウェブサイトの利用ならびに閲覧によって生じたいかなる損害にも責任を負いかねます。

タグ:
判例・裁判例 ,
   

前のページへ戻る

関連記事

2023.07.27
最高裁「定年時の6割未満の基本給は不合理」破棄し、「基本給格差はその性質で評価を」
2022.11.04
ウソの申告で書類送検~有給休暇5日の義務を果たさず虚偽の申告で会社送検~
2022.09.27
労働基準監督署の賃金未払い残業に関する監督指導 令和3年度の是正企業数は1,069企業(前年度比7企業の増)
2020.10.18
非正規労働者に賞与・退職金の支払必要なし 家族手当の格差は違法